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 一通り食事を終えた焔は、手を一生懸命なめていた。どうやらご飯粒をわしづかみにしたから、手がべたべたするらしい。
 捲廉は手近な布巾を焔の目の前にまで持ってきた。
「ほら、ここで手を拭け」
「?」
「こうするんだ」
 小首をかしげる焔に、捲廉は自分の指を布巾で拭いてレクチャーする。じっと観察していた焔は、やがて自分の腕をこすりつけた。清潔になった腕を見て、喜びの色を浮かべる。
「よかったな」
 笑顔になった頬を、捲廉は軽く指先でつついた。
「なぁ、あんたってこーゆー生物好き?」
「こういうって?」
 先ほどから黙って見ていた悟浄が、ポツリとつぶやきをもらした。
「なんつーの。小動物系」
「あぁ。嫌いじゃないな」
 捲廉に懐いた焔をあやしていると、悟浄が横から双葉をつかんで持ち上げた。
「!!?」
「ふーん。こんな生物のどこがいいんだか」
 双葉だけで体重を支えることを余儀なくされた焔は、顔面を蒼白にした。
「やめろバカ」
 捲廉がすかさず悟浄から保護するが、焔は完全におびえてしまったようで、捲廉の親指にしがみついている。
「草が抜けたらどうするんだ!」
「抜けたらどーなんの?」
「知らねぇが、お前の触覚とは訳が違うだろ」
「これは触覚じゃねぇよ!!」
 悟浄と捲廉は、久しぶりに兄弟ケンカを開始した。
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