焔と悟浄は、陽光のよく入ってくる窓辺に、白いクッションを二個並べて休んでいた。悟浄は枕にして、焔は腰にあててくつろいでいる。

 三十分ほど前は、悟浄も隣で雑誌を読んでいたのだが、気がつけば本を手にうたた寝を始めていた。音楽をかけ忘れていたから、あたりは静かだ。

「お」

 焔は見ていたページで小さく声をもらした。材料を確認してから、床に本を置く。

「悟浄、悟浄」

 上から悟浄の顔をのぞき込み、そっと頬を叩く。安定していた眠りを妨害された悟浄は、顔面をしかめて目を開いた。

「なに」
「買い物に行こう」
「なに買うの」
「たべもの。これ食べたい」

 焔は笑顔でさきほどまで見ていたページを見せるが、悟浄は確認するなり、嫌そうにみじろぎをした。 

「また甘いものかよ」
「悟浄にはこっちのお茶つくってやるぞ。ガムシロップいれなければ、甘くなさそうだし」

 にっこりと微笑むと、悟浄はあきらめのため息を吐いた。

「ったく、仕方ねぇな」
「帰ってきたら、一緒にお茶しような」

 立ち上がった悟浄に焔は後ろから抱きついた。
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