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「風呂が空いた。あんたもさっさと入ってこい」
「おぉ」

 備え付けのシャワーを浴びたばかりのヴィンセントは、濡れた黒髪をタオルで撫でながら、部屋で待機していたシドに順番を告げた。
 顔を上げたシドは、ヴィンセントをまじまじと見つめる。

「私の顔に、なにかついているか?」
「あ、いや……お前ぇさんの髪って、綺麗だなって思ってよ」
「そうか」

 シドは照れくさそうに頭を?くが、ヴィンセントは気にもとめず水気を乱暴に拭う。

「ティファやエアリスが髪の手入れするのは判るんだけどよ。男で長髪で、しかも綺麗ってのは、珍しいだろ」
「私は特に手入れなどしていない」
「じゃぁ、天然か」

 シドは身体を近づけ、ヴィンセントの顔をのぞき込む。
 タオルから顔をあげたヴィンセントは、それに気がつかなかったのか、シドと目が合うと少しだけ身を引いた。そして、眉間にわずかなしわを寄せる。

「さっさと入ってこい。煙草のにおいがする」
「煙草のにおいは、嫌いかい?」
「しみつく」
「なにに?」

 重たい腰をあげたシドは、ヴィンセントの言葉に、肩越しに振り向いた。ヴィンセントは、相変わらず無表情で、タオルを椅子の背もたれにかけている。

「私に」

 本人は無自覚なのだろうか、大胆な発言に、シドの口角が持ち上がった。

「じゃ、仕方ねぇから、念入りに身体洗ってくるか」
「そうしてこい」

 シドは片手を上げ、浴室へと向かった。



無自覚、天然なヴィンセントが好きです。

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