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「なぁ、八戒にこんなのもらったんだけど」
「あ?」
 飲み会から帰ってきた悟浄は、小さな植木鉢を持っていた。手の平に収まるぐらいの、本当に小さな植木鉢だ。土から小さな双葉が顔を出している。
 捲廉はそれを受け取ると、矯めつ眇めつして観察する。
「なんの植物だ?」
「さぁ。『焔』とか言ってたけど」
「聞いたことないな」
 もとより植物に明るいわけではないから、知っている植物より、知らない植物の方が多い。
 一通り観察し終えると、テーブルの上にコツンと置く。
「どうやって育てるんだ?」
「さぁ。水と日光だけでいいっつってたけど」
「えらいいい加減だな」
 もっとも、細かく説明されたって、実行できるわけないに決まっているが。
 とりあえず捲廉は、コップに水を汲んできた。
「日光はまぁ、ここでいいだろ」
「育てる気か?」
「枯らしたら可哀想だろ」
 怪訝そうな悟浄に言葉を返し、水をかける。すると心なしか、双葉が元気になったように見える。
「げー。お前が面倒見ろよ。オレ絶対ぇ無理だから」
「水やるだけなら、大丈夫だろ」
 一日一回水をやる生活が始まった。


 一週間ぶりの休日、捲廉は寝て過ごし、悟浄はゲームをして過ごしていた。インドア派というわけではないが、休みぐらいゆっくりして過ごしたい。騒ぐのは基本的に休みの前日、飲み会だ。
 昼近くに起き出した悟浄は、やりかけのRPGを起動する。しばらくやりこんでいると、異変は唐突に起きた。
 ガタガタ。
 現在リビングには悟浄一人しかないはずなのに、何故か物音がする。
 ガタガタ……ガタッ。
 場所はすごく近い。悟浄は物音がした方──テーブルへ目を向ける。と、毎日捲廉が世話をしている植木鉢が倒れていた。
 頭に、双葉を生やした小人と共に。
「…………」
 小人はケフケフと土を吐き出し、悟浄の存在を認めると、にこっと微笑んだ。
「けんれーん!!」
 悟浄はコントローラーを投げ捨てて、寝室まで駆け込んだ。
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