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「ん……」
 焔は目を覚ました。本当はもう少し眠っていたかったのだがいかんせん、枕が固すぎた。これでは心地よい眠りを得るのは難しい。
 その青い枕をばしばし叩いて、少しでも柔らかくなるよう試みた。しかし、いっこうにへこむ気配はない。
「む……」
「こら。起きたと思ったらなにやってんだ」
 すぐ上から声が聞こえ、焔は仰いだ。赤い色が視界の大半を占め、その中心、紅の眸と目があう。
「枕が、かたいから」
「なに寝ぼけてんの。それは俺の脚」
 言われて、焔は改めて枕を見やった。なるほど、確かにジーパンをはいた悟浄の脚に見えなくもない。
「……あぁ」
「不貞寝はもう終わったのか?」
 もう一度視線を上げれば、悟浄はそっぽを向いていた。彼からすれば正面、テレビの方だ。スピーカーからもれる軽快な音楽は、最近悟浄がはまっているゲームのBGMだ。
「不貞寝?」
「してただろ。お前」
 不貞寝。確かに自分は、なにかにへこんで眠り込んだ記憶がある。だが、なにに対して落ち込んでいたのかまでは覚えていない。理屈から言えば、不貞寝はもう終わりだ。
 だが、
「もう少し、寝る」
「寝るって、いい加減脚痺れたんだけど」
「でも、寝る」
「俺を枕にするなら、せめて反対の脚」
「ん……」
 もう片方の脚に頭を乗せて、焔は再び眠りに落ちた。
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