「悟浄、ドーナッツ食べるか?」
「甘いモンはいらねぇ」

 一生懸命テレビゲームに興じている悟浄に一応声をかけてみるが、やはり彼はいらないという。
 ローテーブルで箱を開け、ほどよく焦げ色のついたドーナッツを取り出した。悟浄の肩に背中を預ける。

「美味しい」
「ボロボロこぼすなよ」
「一欠片たりとも逃さん」

 クッキーのようにサクサクしているそれは、ほどよく甘い。

「ゲーム面白い?」
「つまんなかったらやんねぇな」

 悟浄の銜えている煙草を奪い、顔を近づける。

「ん?」
「おれとどっちが面白い?」
「拗ねてんのか?」

 悟浄の問いに、首をかしげて考える。

「……少し」
「ゲームが落ち着いたら、構ってやるから」
「早く落ち着け」
「へーへー」

 くしゃっと頭を撫でられ、とりあえずいまは大人しくすることにした。

「ん……あのさ、ドーナッツ買いすぎじゃね?」
「10個買った」
「誰が食べるんだ?」
「おれと悟浄」
「実質1人じゃねぇか」
「おれが3つ目を食べ終わるまでに落ち着けよ」
「セーブポイント捜すからもう少し待て」
「次なに食べようかな……」
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