「なぁ、浮気してもいいか?」
「ダメに決まってますが」
 焔の唐突な申し出に悟浄はプレイしていたゲームの電源を落とした。ソファの背もたれ越しに立っている焔を無理矢理抱き寄せる。
「うわぁ」
 焔の叫びは緊張感のないものだったが、実際は背もたれが体のあちこちに当たり痛かった。背もたれに引っかかった足をソファに収め顔をあげると、大好きな人の眉間には深いシワが寄っていた。
「遠まわしに言わねぇで、構って欲しいなら素直にねだれ」
 眉間にシワを寄せたまま額に口づけされ、焔は小さく感嘆の声を漏らした。
「俺なりにお前のこと大切にしてやってんの、わかった?」
 口づけされたところをデコピンされ、言っていることとやっていることが違うと思いながらも、存外真面目な表情で見つめられ、焔はにっこりと破顔した。
「うん」
 焔は悟浄の首に両腕を絡め、唇を重ねた。
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