「ホムラン、爪切るぞー」
「ニャー」
 悟浄が声をかけると、ホムランは嬉しげに駆け寄ってきた。爪を切るときの定位置になっている悟浄の膝へ座る。
 雇ったばかりのころは、勝手に家具や壁で爪とぎをされて大変だったが、一度爪切りをしてから大人しくなった。スキンシップできることが嬉しいのだろう。
 ホムランの肉球を押して爪を出す。爪の先端をよく観察しながら爪切りに力を込めた。
「ニャ!……ニャ!」
 なぜか毎回爪を切るタイミングに合わせて鳴き声を上げる。すべての爪を切り終わるころ、後ろから別の声がかかった。
「次はおれも切って欲しいのニャ」
「おう、じゃぁそこに──」
 振り向くと、両手を差し出したバカな人間がそこにいた。
「お前は自分でやれ」
「なっ、アイルーばかりずるいではないか!」
「ずるくないニャ。アイルーの特権ニャ」
 ホムランはご機嫌な様子で悟浄の腕の中でくつろいだ。
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