家のドアをノックされ素直に開けたら、いつか集会場で一緒に戦った焔が笑顔で立っていた。
「こんにちは」
「さようなら」
「待て。何故閉めるっ?!」
 ドアを完全に閉めきる前に、焔の足がそれを遮った。悟浄は舌打ちをして仕方なくドアを大きく開ける。
「嫌な予感がしたからだ」
「友達が遊びにきただけではないか」
「そういうポジションになったのか」
 悟浄の中では知り合い程度の存在だったのだが、どうやら気に入られてしまったらしい。
 眉間にシワを寄せていると、足ともで何かが動く気配がした。視線を落とすと、赤毛赤目のオトモアイルーが苦労を背負って立っていた。
「こいつは?」
「ゴジョー。おれのオトモアイルーだ。可愛いだろう」
 可愛いかどうかはさておき、聞き覚えのある名前に思考を働かせた。確かホムランが言っていたアイルーではなかったか。
「ってことは、お前が黒い悪魔か」
「焔だ」
 当然の返しをされるが悟浄は気にせず二人を招き入れた。最近ホムランの機嫌が悪いから、これで改善されるかもしれない。
「ホムラン、客だ」
 一生懸命生肉を焼いていたホムランの名前を呼ぶと手を止めてこちらを見やった。そして色の異なる目がきらきらと輝きだす。
「ゴジョー!」
 笑顔で駆け寄るホムランとは対照的に、ゴジョーはひきつった表情で逃げ出した。しかしホムランのスピードには及ばず、後ろから思いきり飛びかかられて潰された。
「久しぶりニャゴジョー。会いたかったニャ」
「……重い……」
 後頭部を頬ずりをされているゴジョーのかすれた声を聞き、悟浄は親近感を覚えずにはいられなかった。
「再開の記念に、こんがり肉Gをあげるニャ」
「それは俺が依頼したよろず焼きだろ」
 悟浄の指摘を意にも介さず、ホムランはゴジョーの手にそれを握らせた。
「ふたりは仲がいいんだな。知り合いなのか?」
「黒き悪魔ーッ!!」
「い、痛いッ」
 事情を把握していない焔は、ゴジョーのハンマーを奪ったホムランに猛攻を浴びせられていた。
 ただひとり蚊帳の外でぽかんとしているホムラを見て、悟浄は大きなため息をついた。
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