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「ねぇ、ヴィンセント。ヴィンセントは寂しいって思ったことある?」
「ん?」

 与えられた自室でのんびり休んでいると、レッドがひょっこりを顔を出した。一足に駆け寄り、ヴィンセントが寝そべっているベッドまであがってくる。

「どうかしたのか?」
「う?ん。ちょっとだけ」
 読みかけの本を閉じたヴィンセントの隣で、レッドも身体を丸めた。耳を伏せ、瞼も閉じる。
「今はさ、オイラみんなといて楽しいけど、星を救って――ちゃんとできるか判らないけど、でも救って、そしたらさ、みんなバラバラになっちゃうと思ったら、少し寂しくなって」
「……そうか」
 ヴィンセントはそっと彼の鼻先を撫でた。幼いながらも、一生懸命考えている彼が愛おしい。
「それにオイラ、みんなよりとっても長生きするから、やっぱり寂しいな」
 声のトーンがひくくなり、間延びしてきた。顔を呼吸が、睡眠時のそれに似ている。

「……大丈夫だ。私がいる」
「うん?」
「私は老いることも死ぬこともないから。だから大丈夫だ」
「オイラよりも、長生きするの?」
「あぁ。私はきっとレッドよりも、長く生きるだろう」
「……寂しくない?」
「そうだな……少し、寂しいな」

 レッドは顎をもちあげ、ヴィンセントのお腹に置いた。再び寝る体勢をとる。
「オイラがずっと一緒にいてあげるから、大丈夫だよ」
「そうか」
「オイラが死んでも、オイラの子供たちが、ずっと一緒にいるよ。きっと」
「ありがとう」

 レッドの頭に手を置いていると、階下から騒がしい音が響いてきた。どうやらクラウドたちが帰ってきたらしい。
「レッド、今の話はシドには内緒だ」
「なんで?」
「怒られるから」

 ヴィンセントの心地よい声音に、レッドは睡眠の淵へと落ちていった。
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